箱とマーマレード

うたプリファンブログです。愛と感想と考察を書きます。

工藤Pさんの瑛一くんファンミ(VR体験会)に参加させていただきました

今日はemifuwa(工藤P)さんの主催する鳳瑛一ファンミに参加させて頂いた。MMDのモデルとして作成された瑛一がいる空間にVRゴーグルで入れるという画期的な企画である。

これが公式ではなく個人から出たことが私はびっくりだった。正直あまりこの辺の技術に明るくないため個人では叶わぬほどのお金と時間がかかるものだと思っていた。3月のシクパや6月のマジLOVEキングダムを経て、推しがそこにありのまま生きていることこそが自身の理想だと知った私は、知識と技術とモノさえあればこんなに身近に推しの"生(せい)"を感じられるのかと、工藤Pさんのイベントの開催告知に非常に強く興味を持った。だが正直、オフ会未経験で自分以外のうたプリオタクとの交流を避けていた身としてはハードルが高すぎるイベントでもあった。だからイベントを終えた私からイベント前の私に伝えたい、勇気を出してくれてありがとうと。

 

参加に至るまで

私と、主催の工藤Pさんの関係は完全に一方的なものである。マジLOVEキングダムに入国した他人の感想を読むのが面白いと気付いた私は検索している中で工藤Pさんを見つけた。この方は公開当初から入国をなさっていて、しかもうたプリオタクとは一線を画す視点、特に3Dモデルという観点で感想を記されていたのが記憶に残っている。そして何よりあの膨大な数の感想をまとめたTogetterが印象に残っている。うたプリを知らないけどマジLOVEキングダムが面白い人たちはどこに注目しているのか、どこに感動するのか、うたプリとは違う視点を持つ方々の感想は目から鱗が落ちるようであった。こうしてうたプリの世界が私の中でも人口的にも広がっていくのが体感できて非常に幸せであった。私は前述の通りうたプリがきっかけの友人は作らない人なので、フォローはせず、リストに入れ一方的に鑑賞していた。

そんな中で工藤PさんからVRを体験できるという告知があった。初回告知はいつ頃だったか覚えていないが、当時から行きたいと強く思ったことを覚えている。が、諸々の考えがありうたプリオタクとの交流をずっと避けてきた私は暫く手が出せなかった。しかし近頃は抑うつがだいぶ改善され活動的になってきたこと、去年の11月にうたプリの演奏を聴きに来てくれた友人とうたプリの話をしたのが本当に嬉しかったことで、これが最後だと思い勢いで参加表明をした(一時期抱えていた抵抗感を思い出すとよくがんばったと思う)。

 

VR体験の感想

すごかった…すごかった。私はあの空間でかなり落ち着いていた方だったが、正直泣きそうだった(借り物のゴーグルを汚せないのでなんとか耐えた)。ゴーグルが無かったら絶対に泣いていたと思う。終了後にちゃんと書いて工藤Pさんに送った感想があるので抜粋で書きます。

あんなに「いる」と感じられるとは思わず本当に驚きました。目の前や隣や腕の中という触れ合える距離に自分が敬愛する人がいる時の緊張感と心地よさが、確かな現実として私の心の中に生じました。あの空間の瑛一は工藤さんを初めとした協力者の方々の創造力とご厚意で存在するものですが、この自身の感情の動きは本当にただただ現実でした。とても不思議な体験でした。

そう、不思議な体験だった。瑛一は確かにそこに"いた"のである。目で見て瑛一がいるなと知覚しただけではない。抱きつく、手を取ってもらう、触る、それらの接触体験が、できた。できたのだ。確かに私はあの時瑛一に触れていた。

メタなことを言うが、ゴーグル外に瑛一の身体と近い人間や人形が置かれていたわけではない。ゴーグルをつけた私が何もない空間にハグをしたり手を出したりしているだけである。それなのに触っている感覚があるのだ。例えるなら、自分の運転する車に他の車が突っ込んできた時の、ぶつかる直前のあの緊張感(のもっとずっとゆるやかなもの)がずっと続いている感覚である(この部分は絶対にもっといい例えがありそうである)。目で見て何かに接触しそうな時、接触しそうな自分の身体の箇所に神経が集まり意識が集中する。そして過去の経験をもとにその物体に接触したときの感触が思い出される。それが自分の中で瑛一ならこうだろうという方向に変換される。それがその場に瑛一をつくる。瑛一をその場に存在させているのはモデラーさんであり工藤さんでありスタッフさんであり、そして私だった。

そしてそれはとても心地よかった。マジLOVEキングダムの2番の歌詞を思い出す。『僕と云う名の(イノチ)/歌わせてくれた···Your heat/君が僕を創ってくれた』……。うたプリのアイドルをイノチあるものとして存在させているのは、数多の人の情熱と努力、そして私の愛情なのだということを今日改めて感じることができた。

 

あの空間について

ところで、人数の関係上VR体験自体は一回5分ほどだった。私は2回見せて頂いたので計10分ほどである。残りの時間は何をしていたかというと、瑛一との邂逅に狂喜乱舞する他の参加者を眺めていた。腰を抜かす人がいるというのは事前に聞いていたのだが、それ以上の盛り上がりで、こちらも見ていて非常に楽しい気分になった。「ヤベー重いオタクが近くにいるとこっちも楽しい」というのはマジLOVEキングダムに通う中で知ったことだが、まさにそれだった。強く喜びを表現している人というのはそれだけでこっちまで盛り上がってしまう超面白いコンテンツなのである。

特に今回の瑛一くんファンミという空間は、初体験の人ではなくリピーターの人ほど叫び声を上げていたのが印象的だった。リピーターの人はリピーターの人同士親交を深め、瑛一と会える感動を分かち合い、瑛一と出会うときの衝撃を支え合っていた。あそこまで"発狂"というか、感情を発露できるのは、あの空間にいる人がそれを否定せず、むしろ周囲の見えない自分を支えてくれるだろう、そして哀れみなどではなく笑いに転化してくれるだろうという信頼関係があるのだと感じた。瑛一への愛を柱に、ファン同士も互いを支え合う、興味深く非常に素敵な愛のあふれる空間だと感じた。家族や友人という仲でもあそこまで感情に忠実な行動を取れる空間は稀有だと思う。逆に1人でもいけないのだろう。

 

最後になるが、企画してくださった工藤Pさんを初めとして運営してくださったスタッフの方々、そして愛のあふれる歓声であの空間を彩っていた参加者の皆様に心からの感謝を申し上げたいです。初めての大型のオフ会が素敵なものだったことが本当に嬉しい。

改めて本当にありがとうございました。